今日は広島への原爆投下の日です。
日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しており、先日の選挙でも日本の核兵器保有論が一部の界隈で強まっています。今日はいったん立ち止まり、核兵器がもたらす結果をじっくりふりかえりたいですね。
さて、NHKで広島平和記念式典を観ていて思いましたが、【8月6日】という日はよく晴れる日だと思いました。今日も式典の参加者は夏の朝の日差しの下、黒い服を着てうちわを仰いでいて、いかにも「暑そう」でした。
毎年、式典の様子を観てきたわけではないので個人的な感覚なのですが、広島平和記念式典では、本で見聞きした原爆が投下された当時の様子を連想させるかのように暑い晴れた日に行われている印象を持っています。
このような印象的な日の天気って不思議と覚えているんですよね。たとえば私は東京住まいですが、元日の日は毎年よく晴れます。他にも6年前に亡くなった父の命日も毎年墓参りに行きますが、雨が降った記憶は一度もありません。
実は毎年、同じ日付では地球大気の周期的に同じ天気になるのでは?と感じてしまいます。
そこで気象庁のホームページで調べてみました。
1945年から2024年までの80回分の8月6日の天気を調べたところ80回のうち59回が晴れでした。73.75%の確率で晴れです。およそ4回のうち3回は晴れることになります。日本の平均的な晴れの確率と大差ないので特段、8月6日が晴れやすいわけではありませんね。
ただし1985年から2024年までの40回分の8月6日に絞ると、40回のうち33回は晴れでした。82.5%の確率で晴れです。直近では、高確率で晴れの8月6日が多いようですね。
8月6日の広島の気温は徐々に上がっている傾向

地球温暖化が騒がれて、毎年のように各地の観測史上最高気温が塗り替えられている昨今ですが、広島の8月6日もその傾向に漏れず気温が上昇しているようです。2024年8月6日の平均気温が31.2℃だったのに対し、1945年8月6日の平均気温は27.4℃です。今となっては8月の27℃は「涼しい日」という感覚ですが、昔の真夏はそのくらいの温度だったんですね。
原爆の日の情景を描く本を読むと「夏の暑い日の空にB-29が〜」などと描写されていることがありますが、今の感覚で言うと涼しい日と感じられそうですね。
話が外れてしまいましたが、気温のグラフを見ても気温が上昇トレンドなのは確かなようです。これも人類の課題として再認識しておきたいですね。
杉村太蔵さんの話「祖父が戦争の話を語ってくれたが、実は自分の父親は祖父から戦争の話を聞いていない。それは祖父が時間が経ってようやく話せたのが自分の世代だったのかなと」
戦争という壮絶なシーンを見てきた人が抱える苦悩。過去を思い出したくなかったり人に話したくなかったり。自分の子供の世代には伝えられなかったけど、孫の世代には伝えられるようになったというのは、ご本人たちの長年の苦労や葛藤を感じさせます。
広島と長崎が築いてきた成果
人類初の核兵器が使用されて80年になりました。この80年間、世界大戦こそ起きませんでしたが、冷戦をはじめ世界各地で戦争は尽きませんでした。80年前と比べ、核兵器は格段に増え、性能も上がりました。
しかし、80年前の広島と長崎以降、実際の戦争の場で核兵器が使用されたことはありません。キューバ危機など、核兵器が使われる寸前まで至ったケースはありましたがそれでも使われませんでした。
核兵器が使われなかったこの80年間に広島と長崎が果たしてきた役割はとても大きいと評価せざるを得ません。核兵器の悲惨さを訴え続けてきたことが、その時々の指導者たちに直接・間接的に核使用を踏みとどまらせてきたことと思います。
目にみえるわかりやすい成果ではありませんが、このような「何も起こらなかった成果」というものにも社会が目を向けられるといいなと思います。
たとえばこの80年間、戦争をしていない国は国連加盟193カ国のうち、約8か国とされています。その8か国はブータン、アイスランド、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、そして日本です。たったの8カ国しかないなんて驚きですよね。80年間の間に95%の国は何らかの形で戦争に関わっていることになります。日本が長い間、戦争に関わらず、平和を維持できたことは先人たちの努力の賜物です。
厳しいことに平和は当たり前のものではありません。政治家が判断を誤れば、頭上にミサイルが飛んでくる世の中になることがいつでもありえます。平和な世の中を作ってきてくれた先人たちに敬意を表します。
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